Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

美術館・展覧会

第27回岡本太郎現代芸術賞展(TARO賞) The 27th Exhibition of the Taro Okamoto Award for Contemporary Art

一気に初夏の陽気になった週末。小田急線沿線で所用を済ませ、このまままっすぐ帰るのはもったいないと立ち寄ったのが「川崎市岡本太郎美術館」。 これまで幾度となく訪れてきたが、運良く「TARO賞」展開催中。こちらの賞は「太郎氏の精神を継承し、自由な視…

キース・ヘリング展 アートをストリートへ KEITH HARING Art to the Streets

キース・ヘリングは好きだけれども、今回の展覧会には行かないつもりだった。 というのも、今回、特別協力として名前が出ている中村キース・ヘリング美術館には、これまで何回か訪れたことがあるので、同じ作品を観ることになるかなと。 ikutan.hatenablog.c…

パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ The Cubist Revolution An Exhibition from the Collection of the Centre Pompidou, Paris 

1月2日の美術館は穴場、と長年信じていたけれども、国立西洋美術館に至ってはそんなことはなかった。美術館どころか、上野の街自体が人であふれかえっていた。いつも通りに。 今回のお目当ては、ポンピドゥーセンターと国立西洋美術館の共同企画による「キュ…

銀座・和光 ウインドウディスプレイ WAKO

今まで何度となく目にしてきた銀座・和光のウインドウディスプレイ。 その都度感動してきたけれども、今回のは圧倒させられた。色々すごい。こちらの白いドラゴン、なんと布製。龍頭を被っているのは雪男?それとも昨今お騒がせの熊? 何枚も写真を撮り、こ…

横尾忠則 原郷の森 Yokoo Tadanori Forest in Soul

2021年にも、東京で横尾忠則氏の大規模な個展が開催されていた。 彼の作品をじっくり観たのは、その時が初めて。とにかく、一つ一つの作品のインパクトが強すぎて、その上、展示作品数も多かったので、たちまち消化不良に陥ってしまった。正直、しばらくは観…

兵庫県立美術館 HYOGO PREFECTURAL MUSEUM OF ART

神戸に住んでいた頃、父が何度か「小磯良平」の名前を口にしていた記憶がある。父の好きな画家だったのか、神戸出身の画家だったからか、たまたまその時、何かの展覧会をやっていたからか。今や聞く術はないけれども。 何度も耳にしていたせいで、果たして私…

2022年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作 優秀作品展 Selected Works from Musashino Art University

藝大の卒展に行きたいと思っていたけれども、予約制で気づいた頃には満員御礼。では、ムサビはどうだと思ったら、こちらは予約不要。で、やはりムサビもすごい。 心惹かれた作品は数多くあったけれども、そのうち3点をご紹介。 まずは、平田円理氏の『yadori…

特別企画展 中国巡回展帰国記念「崑崙(こんろん)の西から」 Hirayama Ikuo Silk Road Museum

八ヶ岳を訪れるたびに気になっていた「平山郁夫シルクロード美術館」。今回、ようやく足を踏み入れることができた。 文化勲章も受賞した日本画家、平山郁夫の名を冠した美術館は他にもある。しかし、こちらの美術館は、平山氏の絵画作品だけでなく、夫妻が40…

「訪問者」クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ "Visitors" Christian Hidaka & Takeshi Murata

今回で2回目の訪問となる「銀座メゾンエルメス」のアート・ギャラリー。 ikutan.hatenablog.com 銀座に行ったついでに立ち寄るつもりだったけれども、ギャラリーツアーを開催していると聞いたので、その日に合わせて行くことに。 こちらのギャラリー、前回…

丸紅ギャラリー開館記念展Ⅲ ボッティチェリ特別展 美しきシモネッタ La Bella Simonetta

昨年オープンした丸紅ギャラリーにて、開館記念の第三弾へ。 第一弾の様子はこちらから ikutan.hatenablog.com 今回の展示は、イタリアの巨匠、ボッティチェリの作品1点のみ。丸紅の所蔵作品の中でも、お宝中のお宝にあたる箱入り娘。 2023年は、モデルとな…

東京国立博物館創立150年記念 特別展 国宝 東京国立博物館のすべて 150TH ANNIVERSARY SPECIAL EXHIBITION TOKYO NATIONAL MUSEUM:ITS HISTORY AND NATIONAL TREASURES

東京国立博物館が誇る、いや、日本が誇る「国宝展」に行ってきた。これ、すごいです。会期は12月11日まで。もしかしたら、もうチケットは予約できないかもしれない。 追記:12月18日まで会期延長が決まったらしい!本展のみ午前9時30分から午後8 時まで開館。…

ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて PICASSO THE BLUE PIRIOD AND BEYOND

10月の終わりに、再び箱根に行ってきた。前回ポーラ美術館を訪れた際、次回も行く!と宣言したとおりに。 ikutan.hatenablog.com お昼前に着いたので、まずは館内のレストランでランチを。 写真に、サラダとコーヒーまたは紅茶もついて2,050円、とリーズナブ…

宇野港 UNO PORT/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

もう、思い残すことはない。最終日の午前中は、念願の「杉本博司ギャラリー 時の回廊」を鑑賞できて、朝からご満悦。 ikutan.hatenablog.com この日は、一部の美術館をのぞいて直島のほとんどの施設は定休日。午後は、早々に高松に戻ることもできたが、ツア…

杉本博司ギャラリー 時の回廊 HIROSHI SUGIMOTO GALLERY TIME CORRIDORS/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

最終日の5日目は、どう過ごそうか、当日まで悩んでいた。 その日は、21時26分高松発の寝台特急「サンライズ瀬戸」で帰京する予定だったので、時間はたっぷりある。 実は、直島で、どうしても行きたい美術館があった。しかし、先日訪れたときは予約がとれず。…

大塚国際美術館 OTSUKA MUSEUM OF ART/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

高松滞在4日目は、特急うずしおに乗って鳴門まで。目的地は、瀬戸芸とは関係ないけれども、いや、瀬戸芸がなければなかなか行く機会もなかったであろう「大塚国際美術館」。 美術館の紹介記事などでは、よくこちらの写真が使われるので、ああ、あの、と思っ…

ベネッセハウス ミュージアム Benesse House Museum/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

ベネッセハウス ミュージアムは楽しい。 直島に上陸してから、地中美術館、李禹煥美術館を経て当館に来たが、前者2館はどちらかと言うと大人向け。対するこちらは、大人はもちろん、子どもも楽しめそう。 特に気に入ったのは、柳幸典氏の《ザ・ワールド・フ…

地中美術館 Chichu Art Museum/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

直島に終日捧げるつもりでいた3日目、まずは朝一の高速旅客船に乗って「地中美術館」へ。 前日まで、そんなに朝早くから行動するつもりはなかったのだけれども、明け方ふと目を覚まし、美術館の予約サイトを見たところ、開館直後の時間帯にキャンセルが出て…

女木島 MEGIJIMA/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

男木島の次は、ツアーの最終目的地、女木島へ。 同じツアーの、大島と男木島の様子は、こちらから ikutan.hatenablog.com ikutan.hatenablog.com 女木島は、なんといっても寿荘が面白い。 2階建てのコンクリートの造りから、以前は学校か何かだったのかと思…

男木島 OGIJIMA/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

大島での、重い気持ちを引きずったまま、男木島へ。 大島での様子はこちらから ikutan.hatenablog.com 島の名前に「男」と付くからには、岩が多くてゴツゴツしているとか、荒波が押し寄せる海岸があるとか、一昔前に「男」と定義されていたような要素がある…

大島 OSHIMA/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

旅の2日目は、大島、女木島(めぎじま)、男木島(おぎじま)へ。 今回、瀬戸内国際芸術祭に参加するのに際し、既に訪れたことのある友人に見どころを聞いた。「初めて行くならツアーがおすすめ」と言われ、直前でも休日に空いていたのが、こちらのオフィシ…

犬島精錬所美術館 INUJIMA SEIRENSHO ART MUSEUM/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

チャーター船に乗って、豊島の次に訪れたのは犬島。 豊島の様子は、こちらから ikutan.hatenablog.com まず向かったのが「犬島精錬所美術館」。 犬島は、もともと花崗岩(犬島みかげ)の採石地として知られていたらしい。20世紀に入り、煙害対策等の理由から…

豊島美術館 TESHIMA ART MUSEUM/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

ずっと、行きたい、行きたいと思っていた瀬戸内国際芸術祭に、今年ようやく参加するができた。思いが強すぎたせいだろうか、普段は旅する前に色々と調べまくり、必要とあらば事前予約も早々に済ませて臨むというのに、今回は必要最低限の交通手段と宿泊先の…

MOMATコレクション MOMAT COLLECTION

東京国立近代美術館で企画展を観た後は、時間の許す限り常設展(所蔵作品展)も観るようにしている。ついでに観るなんて言うのは、恐れ多いほどの名作ぞろいなのだけれども。 ちなみに、企画展の様子はこちらから ikutan.hatenablog.com 今回も、いきなり、…

ゲルハルト・リヒター展 Gerhard Richter

箱根のポーラ美術館で、リヒター作品を目にする前から行こうと思っていた、東京国立近代美術館の「ゲルハルト・リヒター展」。ようやく金曜日の夜間開館時に行くことができた。 ちなみに、ポーラ美術館での様子はこちらから ikutan.hatenablog.com 平日の夜…

パンテール ドゥ カルティエ Panthere de Cartier

先日接客してくれた年配の女性が、カルティエの腕時計をしていた。まさにパンテール。久しぶりに目にしたが、長年大事に使ってきたのだろうなという感じがした。 現在、表参道の交差点で開催中のポップアップ。カルティエといえば赤のイメージが強いけれども…

中村キース・ヘリング美術館開館15周年記念展:混沌と希望 Nakamura Keith Haring Collection 15th Anniversary Exhibition:CHAOS AND HOPE

台風が関東に上陸する前に、束の間、八ヶ岳へ。 今回は時間が限られていたので、アート鑑賞は一つに絞り、過去にも数回訪れたことのある「中村キース・ヘリング美術館」へ行くことに。 キース・ヘリングのコレクションは、館長の中村和男氏が、1987年米国出…

地中海人ピカソー神話的世界に遊ぶ PICASSO The Mediterranean:Enjoying the Mythical World

先週から通い始めたスクールの前に、ずっと気になっていた南青山のヨックモックミュージアムへ。 そう、あのくるりと巻かれた『シガール』でおなじみのヨックモックが、2020年に美術館をオープンした。しかも、ピカソのセラミック(陶磁器)作品を中心にコレ…

エスパス ルイ・ヴィトン東京 《Plateaus》 Espace Louis Vuitton Tokyo

今月から、青山にあるスクールに通うことにしたので、授業の後は大好きな表参道散策の時間。ということで、半年ぶりにエスパス ルイ・ヴィトン東京へ。 前回と同じく、ルイ・ヴィトン表参道ビル1階のショップを通り抜けて、そのまま7階の会場へと向かう。到…

ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ −新収蔵作品を中心に From Monet to Richter:Focus on New Acquisitions -The Pola Museum of Art 20th Anniversary Exhibition

前回からの続き。箱根滞在2日目はポーラ美術館へ。 初日の様子はこちらから ikutan.hatenablog.com 美術館を運営している企業というと、私の中ではそれだけで企業イメージがアップする。ましてや、その美術館の所蔵している作品が良かったり、館内施設がオシ…

彫刻の森美術館 THE HAKONE OPEN-AIR MUSEUM・箱根美術館 HAKONE MUSEUM OF ART

先週末は、お誕生日祝いを兼ねて1泊2日で箱根へ。 ホテルと食事だけ予約して、あとはゆるゆると。美術館は2つくらい回れたらいいかなと思っていたけれども、結局、初日は「彫刻の森美術館」と「箱根美術館」、2日目は「ポーラ美術館」へ。ちなみに、この3つ…