Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

大塚国際美術館 OTSUKA MUSEUM OF ART/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

高松滞在4日目は、特急うずしおに乗って鳴門まで。目的地は、瀬戸芸とは関係ないけれども、いや、瀬戸芸がなければなかなか行く機会もなかったであろう「大塚国際美術館」。

美術館の紹介記事などでは、よくこちらの写真が使われるので、ああ、あの、と思った方も多いのでは。

ミケランジェロ 《システィーナ礼拝堂天井画および壁画》

この美術館の特徴は、西洋名画約1,000点を、オリジナル作品と同じ大きさで、陶器の板に再現していること。なんだ、複製か、と思うなかれ。なんと言っても、初代館長の設立趣旨が素晴らしい。「本物の絵の色や姿は、次第に変化してくる。でも、美術陶板は違う。この真実の姿を永遠に伝えたい、後世への遺産として保存しておきたい、と考え、陶板名画美術館設立に至った」とのこと。

しかし、こんな巨大な美術館をつくるなんて、一体どこぞの大塚さんかと思っていたら、なんと、大塚グループ。もともとは、オロナイン軟膏でおなじみの大塚製薬工場。鳴門は、その創業の地であるらしい。

エル・グレコ 《エル・グレコの祭壇衝立復元》

鑑賞ルートは、約4キロと聞いていたが、想像していた以上に広い。開館時間直後の10時に到着し、「マップ&ガイド」のモデルコースを参考に鑑賞を始め、音声ガイドも飛ばし飛ばし聴いていたのだけれども……途中、鳴門海峡のうず潮を見に行ったり、ゆっくりお昼休憩をとったりしたことも災いしてか、とても回りきれず。最後は、17時の閉館前に駆け足で。展示は、地下3階の古代、中世から始まっているので、好きな時代や作者、作品がわかっている方は、そこからスタートさせても良いかも。

フェルメール 《真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)》

私のお気に入りは、アルチンボルド・ジュゼッペの、左から《水(「四大元素」より》《火(「四大元素」より》《冬(「四季」より)》《夏(「四季」より)》。

しげしげと眺めてしまうほどの面白さ。小学生くらいの男の子も、1枚1枚写真を撮っていた。

美術館の周辺は、徒歩圏内に飲食店がないので、昼食は必然的に館内のレストランで。こちらは、ヴィーナスカレー。

ちなみに、ボッティチェリの《ヴィーナスの誕生》も当然のごとく展示。

クリムトの《接吻》も。

ウィーンで観たときは、門外不出と言わたれので、一生懸命目に焼き付けてきたが、日本でもお目にかかれるとは。

ピカソの《ゲルニカ》は、意外に小さい。もっと大きいものをイメージしていた。

美術館から徒歩7分で、鳴門海峡のうず潮も楽しめる。館内にも見頃時間が掲示してあるので、美術館公認。鑑賞途中で抜けても、再入場可能。

www.uzushio-kisen.com

美術館に行くなら、セットでおすすめ。船も揺れに揺れて、遊園地のアトラクション並みの大迫力だった。

o-museum.or.jp