Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

第27回岡本太郎現代芸術賞展(TARO賞) The 27th Exhibition of the Taro Okamoto Award for Contemporary Art

一気に初夏の陽気になった週末。小田急線沿線で所用を済ませ、このまままっすぐ帰るのはもったいないと立ち寄ったのが「川崎市岡本太郎美術館」。 これまで幾度となく訪れてきたが、運良く「TARO賞」展開催中。こちらの賞は「太郎氏の精神を継承し、自由な視…

キース・ヘリング展 アートをストリートへ KEITH HARING Art to the Streets

キース・ヘリングは好きだけれども、今回の展覧会には行かないつもりだった。 というのも、今回、特別協力として名前が出ている中村キース・ヘリング美術館には、これまで何回か訪れたことがあるので、同じ作品を観ることになるかなと。 ikutan.hatenablog.c…

『PERFECT DAYS』

幸田文の本が登場したのが嬉しい。つい2ヶ月前まで実家に彼女の作品群があった。やむを得ず、急遽多くの蔵書とともに手放す羽目になったけれども。 劇中、古本屋の店主も語っていた。もっと彼女の作品は世に知られるべきだと。その通り。今でいう名エッセイ…

パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ The Cubist Revolution An Exhibition from the Collection of the Centre Pompidou, Paris 

1月2日の美術館は穴場、と長年信じていたけれども、国立西洋美術館に至ってはそんなことはなかった。美術館どころか、上野の街自体が人であふれかえっていた。いつも通りに。 今回のお目当ては、ポンピドゥーセンターと国立西洋美術館の共同企画による「キュ…

銀座・和光 ウインドウディスプレイ WAKO

今まで何度となく目にしてきた銀座・和光のウインドウディスプレイ。 その都度感動してきたけれども、今回のは圧倒させられた。色々すごい。こちらの白いドラゴン、なんと布製。龍頭を被っているのは雪男?それとも昨今お騒がせの熊? 何枚も写真を撮り、こ…

竹中大工道具館 TAKENAKA CAPENTRY TOOLS MUSEUM

今回、2泊3日の神戸旅行で一番印象に残った場所。それがこちらの「竹中大工道具館」。 大工道具を民族遺産として収集・保存し、後世に伝えていくことを目的に設立された、日本で唯一の博物館。 当初予定していなかった行き先だけれども、神戸っ子である友人…

神戸市立博物館 コレクション展示室 Kobe City Museum

私が訪れた日、神戸市立博物館は『特別展 ジブリパークとジブリ展』を開催中で賑わっていた。 私もジブリは大好き。特別展は、もちろん鑑賞。でも、常設のコレクション展示室も見応えあり!国内の博物館・美術館のご多分に漏れず、多くの人にスルーされ、鑑…

横尾忠則 原郷の森 Yokoo Tadanori Forest in Soul

2021年にも、東京で横尾忠則氏の大規模な個展が開催されていた。 彼の作品をじっくり観たのは、その時が初めて。とにかく、一つ一つの作品のインパクトが強すぎて、その上、展示作品数も多かったので、たちまち消化不良に陥ってしまった。正直、しばらくは観…

兵庫県立美術館 HYOGO PREFECTURAL MUSEUM OF ART

神戸に住んでいた頃、父が何度か「小磯良平」の名前を口にしていた記憶がある。父の好きな画家だったのか、神戸出身の画家だったからか、たまたまその時、何かの展覧会をやっていたからか。今や聞く術はないけれども。 何度も耳にしていたせいで、果たして私…

神戸北野ホテル KOBE KITANO HOTEL

人に話すと、まだ早いと笑われてしまうけれども、今年に入ってから自分の人生を逆算して考えるようになった。 遺伝で考えると自分の寿命は☓☓歳くらい。健康寿命は、そこからマイナス10歳くらい。そうすると、自由に動き回れるのは、あと☓☓年くらい...... あ…

『ファッション・フリーク・ショー』 FASHION FREAK SHOW

信頼するファッション・ブロガーさんオススメのミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』を観に行ってきた。 デザイナー、ジャンポール・ゴルチエの半生を描いたランウェイ・ミュージカル。 ゴルチエの名前は知っているけれども、どんなデザイナーな…

2022年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作 優秀作品展 Selected Works from Musashino Art University

藝大の卒展に行きたいと思っていたけれども、予約制で気づいた頃には満員御礼。では、ムサビはどうだと思ったら、こちらは予約不要。で、やはりムサビもすごい。 心惹かれた作品は数多くあったけれども、そのうち3点をご紹介。 まずは、平田円理氏の『yadori…

ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜 THE KAHALA HOTEL & RESORT YOKOHAMA

外出制限のあったコロナ禍で、目覚めてしまったこと。それは、関東近郊の気になるホテルに宿泊すること。 今回の行き先は、ハワイ・ホノルルにルーツがある「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」。 ちなみに、前回のホテルレポートはこちらから ikutan.haten…

特別企画展 中国巡回展帰国記念「崑崙(こんろん)の西から」 Hirayama Ikuo Silk Road Museum

八ヶ岳を訪れるたびに気になっていた「平山郁夫シルクロード美術館」。今回、ようやく足を踏み入れることができた。 文化勲章も受賞した日本画家、平山郁夫の名を冠した美術館は他にもある。しかし、こちらの美術館は、平山氏の絵画作品だけでなく、夫妻が40…

109シネマズプレミアム新宿/東急歌舞伎町タワー 109CINEMAS PREMIUM SHINJUKU/TOKYU KABUKICHO TOWER

映画『戦場のメリークリスマス』を観たことがなかった。あの独特の旋律を放つテーマ曲は、今まで何度となく耳にしてきたけれども。 今年に入り、4K修正版が上映されていることは知っていた。何でも、大島渚監督作品が国立機関に収蔵されるため、これが最後の…

劇団四季『アラジン』SHIKI THEATRE COMPANY "ALADDIN"

2023年のアート始めはミュージカルから。 数ヶ月前、突如上司から、劇団四季『美女と野獣』のプレビューチケットを譲り受けた。 本場ブロードウェイで観たことはあるけれども、劇団四季のは初めて。新バージョンは上海ディズニーリゾートで上演されたものを…

「訪問者」クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ "Visitors" Christian Hidaka & Takeshi Murata

今回で2回目の訪問となる「銀座メゾンエルメス」のアート・ギャラリー。 ikutan.hatenablog.com 銀座に行ったついでに立ち寄るつもりだったけれども、ギャラリーツアーを開催していると聞いたので、その日に合わせて行くことに。 こちらのギャラリー、前回…

丸紅ギャラリー開館記念展Ⅲ ボッティチェリ特別展 美しきシモネッタ La Bella Simonetta

昨年オープンした丸紅ギャラリーにて、開館記念の第三弾へ。 第一弾の様子はこちらから ikutan.hatenablog.com 今回の展示は、イタリアの巨匠、ボッティチェリの作品1点のみ。丸紅の所蔵作品の中でも、お宝中のお宝にあたる箱入り娘。 2023年は、モデルとな…

市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露十二月大歌舞伎八代目市川新之助初舞台 December Program at the Kabukiza Theatre

1年ぶりの歌舞伎鑑賞。 市川海老蔵改め團十郎は、好き嫌いのはっきり分かれる役者だと思う。でも、舞台上では、嫌いな人をもうならせる圧倒的な存在感がある。 『京鹿子娘二人道成寺』では、中村勘九郎と尾上菊之助が白拍子花子を演じた。二人の舞踊は、衣装…

『CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術』

転校の多かった私が、新しい土地に行くとまずすること。それは、近所の公共図書館がどこにあるか探すことだった。本は、まだ友だちのいない私にとって、格好の遊び相手だった。その後、友だちができても、図書館には通い続けた。大人になった今でも、その習…

東京国立博物館創立150年記念 特別展 国宝 東京国立博物館のすべて 150TH ANNIVERSARY SPECIAL EXHIBITION TOKYO NATIONAL MUSEUM:ITS HISTORY AND NATIONAL TREASURES

東京国立博物館が誇る、いや、日本が誇る「国宝展」に行ってきた。これ、すごいです。会期は12月11日まで。もしかしたら、もうチケットは予約できないかもしれない。 追記:12月18日まで会期延長が決まったらしい!本展のみ午前9時30分から午後8 時まで開館。…

富士屋ホテル FUJIYA HOTEL

箱根滞在の第二の目的は、憧れの富士屋ホテルに泊まること。前回ランチで訪れた際に、ホテルの内装があまりにも私好みだったので、これは泊まって客室も確認しなければいけない、と思い至り。 ikutan.hatenablog.com 早速、7月の段階で予約を入れる。割引価…

ポーラ美術館開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて PICASSO THE BLUE PIRIOD AND BEYOND

10月の終わりに、再び箱根に行ってきた。前回ポーラ美術館を訪れた際、次回も行く!と宣言したとおりに。 ikutan.hatenablog.com お昼前に着いたので、まずは館内のレストランでランチを。 写真に、サラダとコーヒーまたは紅茶もついて2,050円、とリーズナブ…

宇野港 UNO PORT/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

もう、思い残すことはない。最終日の午前中は、念願の「杉本博司ギャラリー 時の回廊」を鑑賞できて、朝からご満悦。 ikutan.hatenablog.com この日は、一部の美術館をのぞいて直島のほとんどの施設は定休日。午後は、早々に高松に戻ることもできたが、ツア…

杉本博司ギャラリー 時の回廊 HIROSHI SUGIMOTO GALLERY TIME CORRIDORS/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

最終日の5日目は、どう過ごそうか、当日まで悩んでいた。 その日は、21時26分高松発の寝台特急「サンライズ瀬戸」で帰京する予定だったので、時間はたっぷりある。 実は、直島で、どうしても行きたい美術館があった。しかし、先日訪れたときは予約がとれず。…

大塚国際美術館 OTSUKA MUSEUM OF ART/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

高松滞在4日目は、特急うずしおに乗って鳴門まで。目的地は、瀬戸芸とは関係ないけれども、いや、瀬戸芸がなければなかなか行く機会もなかったであろう「大塚国際美術館」。 美術館の紹介記事などでは、よくこちらの写真が使われるので、ああ、あの、と思っ…

ベネッセハウス ミュージアム Benesse House Museum/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

ベネッセハウス ミュージアムは楽しい。 直島に上陸してから、地中美術館、李禹煥美術館を経て当館に来たが、前者2館はどちらかと言うと大人向け。対するこちらは、大人はもちろん、子どもも楽しめそう。 特に気に入ったのは、柳幸典氏の《ザ・ワールド・フ…

地中美術館 Chichu Art Museum/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

直島に終日捧げるつもりでいた3日目、まずは朝一の高速旅客船に乗って「地中美術館」へ。 前日まで、そんなに朝早くから行動するつもりはなかったのだけれども、明け方ふと目を覚まし、美術館の予約サイトを見たところ、開館直後の時間帯にキャンセルが出て…

女木島 MEGIJIMA/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

男木島の次は、ツアーの最終目的地、女木島へ。 同じツアーの、大島と男木島の様子は、こちらから ikutan.hatenablog.com ikutan.hatenablog.com 女木島は、なんといっても寿荘が面白い。 2階建てのコンクリートの造りから、以前は学校か何かだったのかと思…

男木島 OGIJIMA/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

大島での、重い気持ちを引きずったまま、男木島へ。 大島での様子はこちらから ikutan.hatenablog.com 島の名前に「男」と付くからには、岩が多くてゴツゴツしているとか、荒波が押し寄せる海岸があるとか、一昔前に「男」と定義されていたような要素がある…