東京国立博物館が誇る、いや、日本が誇る「国宝展」に行ってきた。これ、すごいです。会期は12月11日まで。もしかしたら、もうチケットは予約できないかもしれない。
追記:12月18日まで会期延長が決まったらしい!本展のみ午前9時30分から午後8 時まで開館。
特に印象に残った国宝は5点。
狩野永徳筆の《檜図屏風》
巨木の存在感にのみ込まれそうになる。
《孔雀明王像》
明王が手にしているのはザクロ。ザクロといえば、美容効果が高いと言われているけれども、明王が持つと、より神秘的で、若返りさえも可能な魔法の果実のように感じる。
李迪筆の《紅白芙蓉図》
2枚の絵の左側には白い芙蓉、右側には酔芙蓉(すいふよう)と呼ばれる紅い芙蓉が描かれている。実は2枚は同じ花。1日で花の色が変わってしまうらしい。お酒に酔っているようにみえることから、酔芙蓉と名付けられたとか。「われもまたあかい」を意味する、吾亦紅(われもこう)に通じるようなネーミング。
《竜首水瓶》
すっと伸びた竜の首から上の蓋部分と、銅に描かれたペガサスが猛々しい。展示室では、ライトの当たり方も絶妙で、背後の壁に映った影さえも勇ましい。
《舟橋蒔絵硯箱》
こんな丸みを帯びた硯箱は初めて。常識からの脱却か。
展覧会は2部構成になっており、第1部で国宝89点を公開。今回も、出社した日の夜間開館日に行ったが、数からして余裕で鑑賞できると思っていた。しかし、絵画や宝物以外に、書跡や刀剣もものすごい存在感。とてもサラリと流すことはできない。続く、第2部の「東京国立博物館の150年」。こちらも教科書等で目にしたことのある、国宝予備軍の数々。時間が足りない。これから鑑賞予定の方は、最低2時間くらいの余裕を持って臨んだほうが良い。
数少ない撮影可能作品は、菱川師宣筆の《見返り美人図》。正面は撮影待ちがズラリ。時間もないので、斜め横からパチリ。あまりにも有名な作品だけれども、今現在は、国宝でも重要文化財でもないらしい。
訪れたのは、皆既月食の数日あと。美しい。