Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

「訪問者」クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ "Visitors" Christian Hidaka & Takeshi Murata

今回で2回目の訪問となる「銀座メゾンエルメス」のアート・ギャラリー。

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銀座に行ったついでに立ち寄るつもりだったけれども、ギャラリーツアーを開催していると聞いたので、その日に合わせて行くことに。

こちらのギャラリー、前回も感じだけれども、会場の広さや入場者数に対して、スタッフが多すぎる。正直、落ち着かない。

20代の初めごろ、パリのエルメスを訪れた際に、探している商品があったので店員さんに尋ねたところ「知らない。ここは私の担当エリアじゃないから。別の人に聞いて」と鼻であしらわれた(ように感じた)ことがある。まだ社会人になりたてで、日本式の接客がスタンダートだと思っていた私は、初めてのヨーロッパでそのような扱いを受け、少なからぬショックを受けた。

こちらも、本場にならって細かくエリア担当が決まっているのであろうか。エレベーターの受付担当から始まり、昇降担当、会場受付担当と続く。会場内にも数メートルおきにスタッフが配置されており、彼らが歩くたびに、ヒール音が会場内に響く。

そういえば、以前訪れた名古屋のヤマザキ マザック美術館では、暗にヒール音に対する配慮を呼びかけ、スリッパの貸し出しを行っていた。

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一人で静かに鑑賞したい方には、おすすめしないギャラリーだが、今回参加したギャラリーツアーは文句なしに良かった。

作品の解説はもとより、企画段階から携わっている方の話は、本人の思い入れも強いに違いない、言葉の端々からその熱が伝わってくる。こちらの質問に対する的確な回答に、理解も一層深まる。

今回は、日本にルーツを持つ二人の作家の作品。だまし絵のような作品を描くクリスチャン・ヒダカ氏と映像作品や立体作品を制作しているタケシ・ムラタ氏。両者とも、なかなか目にすることのない独特な作品群。

クリスチャン・ヒダカ《シパリウム(バックドロップ)》

作品に興味のある方は、ギャラリーツアー開催日に行くのが、おすすめ。

店舗のウィンドウ・ディスプレイも楽しい。2022年のテーマは「もっと軽やかに」。3ヶ月ごとに作品が入れ替わっている。

ウェブサイトで、2001年竣工時からのアーカイブを眺めているだけでも楽しい。

www.hermes.com