Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

地中海人ピカソー神話的世界に遊ぶ PICASSO The Mediterranean:Enjoying the Mythical World

先週から通い始めたスクールの前に、ずっと気になっていた南青山のヨックモックミュージアムへ。

そう、あのくるりと巻かれた『シガール』でおなじみのヨックモックが、2020年に美術館をオープンした。しかも、ピカソのセラミック(陶磁器)作品を中心にコレクションした美術館。ピカソと言えば、圧倒的に絵画作品の方が有名なだけに、世界でも有数なコレクションらしい。場所は、ヨックモック青山本店から500メートルほど離れた住宅街にある。

受付を済ませて、まずは地下の展示室へ。恐らく、買い物や仕事の帰りなど、何かのついでに来ることは想定していないのであろう。受付向かいにあるロッカーは小さめ。案の定、私のかごバッグやPCは収まりきれず、PCだけ受付で預かっていただくことに。

地下に降りていくと、壁も床もチャコールグレーで照明も落としてある。暗くてきちんと判別できなかったけれども、もしかしたら床材はセラミックだったのかもしれない。ちなみに化粧室のピクトグラムはセラミックとのこと。

こちらの美術館に展示してあるセラミック(陶磁器)作品とは、簡単に言うと、お皿や壺に描かれた陶器画のこと。

印象に残ったのは《藁床の上の鳩》。ピカソは、鳩を描いた作品が多いことでも有名だけれども、世界平和協議会のポスターに、ピカソが描く鳩の絵が使用されたことから、鳩が平和の象徴になったのだとか。

また、《観客がいる闘牛》も目をひく。スペイン皿と呼ばれる丸いお皿の真ん中にギリシアの怪物ケンタウロスと牝牛の対決が描かれ、そのお皿の縁にぐるりと様々な男女が描かれている。色も鮮やか。配色の多い順に、緑、青、黄、茶、黒。暗い室内によく映える。

お次は2階へ。地下からエレベーターに乗り、目的地の扉が開くと、一転別世界に来たみたい。大きな窓からは自然光がふんだんに入り、壁は白、床材は木製。

先月訪れた、彫刻の森美術館のピカソ館でもコーナーが出来ていたが、ピカソの最後の妻、ジャクリーヌの作品も多い。やはり横顔が美しい。美術館のスタッフに「最後の奥さんです、まだ存命みたい」と説明を受け、「あれ?確か彼女は、自ら命を断ったのでは?」と仕入れたばかりの知識を披露したものの、私自身も、もしかしたらそれは別の女性だったかも?なんて思い始め、お互いに「たくさんいるからわからなくなりますよね」と笑いあった。

ちなみに、彫刻の森美術館の様子はこちらから

ikutan.hatenablog.com

実際のところ、やはりジャクリーヌはピカソ没後に亡くなっており、存命なのはフランソワーズ・ジロー。ウィキペディアによると御年100歳とか。さすが生命力に満ちた、と言うべきか。なぜなら彼女は、ピカソを振った唯一の女性と言われているから。

2階のピクトグラムは、白のセラミック。

鑑賞後は、1階のカフェとミュージアムショップへ。左から2番めのポスターは《イーゼルの前のジャクリーヌ》。実物は2階で観れるが、こちらも陶器画。

そして、噂に聞いていたミュージアムオリジナルのプティ シガール「ヴァローリス」缶。もう、これは買わずにはいられない。プティ シガールの包みもオリジナルデザインが施されており、外も中も、まるごとかわいい。

今回の展覧会は、9/25日曜日まで。その後1ヶ月近くかけて次の展覧会の準備をすすめ、10/25火曜日から開館記念第3弾が始まる。

yokumokumuseum.com