Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

宇野港 UNO PORT/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

もう、思い残すことはない。最終日の午前中は、念願の「杉本博司ギャラリー 時の回廊」を鑑賞できて、朝からご満悦。

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この日は、一部の美術館をのぞいて直島のほとんどの施設は定休日。午後は、早々に高松に戻ることもできたが、ツアーデスクに相談した際に、直島からすぐ行ける場所として宇野港の名前があがっていたので、ふらりと行ってみることに。

宇野港といえば、淀川テクニックのカラフルな魚《宇野のチヌ》が有名。でも、実物を見るまで気づかなかった。こちらがゴミや不用品で作られたものだったとは。

いくつかの作品を鑑賞し、宇野港で最も長時間滞在した場所。それはムニール・ファトゥミ氏の《実話に基づく》の会場。作品よりも、築90年になる三宅医院の建物に釘付け。瀬戸芸サポーター、こえび隊メンバーの話によると、この建物は40年前まで病院として機能していたらしい。その後使われず、そのままになっていたとのこと。今回、会場として使用するにあたり、ホコリを払うことから始めたという。

手術や入院の設備も整っていたようで、当時、かなりの大病院だったと思われる。なんと言っても、建物の内装が素晴らしい。ある一室の天井の装飾は、元駅舎だったオルセー美術館を彷彿させるし、床のタイルは、旧朝香宮邸こと東京都庭園美術館を思い出させる。

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椅子やテーブルも、使い込まれて黒光りしており、東京都心のアンティークショップに置いてありそうな。

オーディオ機器なども、恐らく40年以上前のもの。それなのに、全く古臭い感じはしない。ジャパンブランドの勢いがあった頃(と書くのは寂しいけれども……)の製品か、どこかしら自信に満ち溢れているような気もする。

こえび隊の方とも「重要文化財にしてほしい」なんて話で盛り上がる。帰りは、彼女の「夕日がキレイに見れるかも」との声に従い、船ではなく、宇野駅から瀬戸大橋線に乗り、高松へ。

最後の晩餐は、初日にタクシーの運転手さんから教えてもらった「神童ろ(わらじろ)にて。ぷりぷりの「オリーブはまち」を。

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今回で、「瀬戸内国際芸術祭2022」レポートは終了。また必ず行く、と今から宣言しておこう。

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