Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

豊島美術館 TESHIMA ART MUSEUM/瀬戸内国際芸術祭2022 SETOUCHI TRIENNALE2022

ずっと、行きたい、行きたいと思っていた瀬戸内国際芸術祭に、今年ようやく参加するができた。思いが強すぎたせいだろうか、普段は旅する前に色々と調べまくり、必要とあらば事前予約も早々に済ませて臨むというのに、今回は必要最低限の交通手段と宿泊先の手配のみ。それだけで達成感を得たような心地に。でも、なんとなくセレンディピティが起こりそうな予感がしていた。

初日は、直島を自転車で巡ろうとぼんやり考えていたが、前日になっても雨マークが消えないので、急きょ予定変更。豊島(てしま)と犬島のオフィシャルツアーを申し込むことに。

ガイドさんの案内のもと、いくつかの作品鑑賞と「島キッチン」の昼食の後に向かったのが「豊島美術館」。

何の予備知識もなく足を踏み入れたので、いや、多少知識があったとしても同じだったかもしれない。内藤礼氏の《母型》という作品のためだけにつくられた美術館。建築は西沢立衛氏。とにかく圧倒された。

右手の建物中央に見える黒い円は、天井の開口部となっており、自然光、雨水、風、鳥のさえずり、虫の声をそのまま建物内に取り込む形になっている。

建物内では、床にある多数の小さな穴から水が湧き出し、それが時間をかけて結合し、泉が誕生している。
泉の周りでは、鑑賞者が思い思いに腰をおろしたり、寝そべったり。中には、あぐらをかきヨガをしている人もいる。

晴れた日には、どのような作品になるのか、春夏秋冬ではどのように変わるのか、さらに想像力を掻き立てられ、また、確認しに来たいと思わせる美術館であった。

雨の日の棚田も味わいがある。

benesse-artsite.jp

このブログ投稿後、建設を担当した鹿島建設のホームページに、美術館が出来上がるまでの記事を見つけた。ドーム屋根の、生コンクリート打ち込み作業が終わると、現場から拍手が起こったとのことだが、読んでいるこちらも拍手を送りたくなる。それほど、見事な屋根だった。

www.kajima.co.jp