Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

木梨憲武展 Timing -瞬間の光り- NORITAKE KINASHI

10代の頃、理想の男性像は、とんねるずのノリさんこと木梨憲武氏だった。なぜ、ジャニーズや当時の人気俳優ではなかったのか、今となっては思い出せないけれども、いつも楽しそうに見えたから、かな。

その後は、現実世界の方が忙しくなり、そんな思いを抱いていたこともすっかり過去のものになっていたけれども、偶然にも私が数年前まで住んでいた所が、ノリさんの地元「祖師ヶ谷大蔵」。ウルトラマン商店街や木梨サイクルで、たまに見かけるノリさん関連のお知らせに、ああ、今はこんなアート活動もしているんだ、と思っていた。

そう、ノリさんのアート活動は、よくある芸能人の趣味程度に思っていた。

でも、今回初めて展覧会に足を運び、その考えを撤回。

200点以上に及ぶ作品群が、もう、とにかくすごい!そして楽しい。

《SENTE KANNON》

《REACH OUT LOVE》

旅先で描かれた作品にも味がある。

《Brooklyn》

ダンボールや商品パッケージも、ノリさんの手にかかるとこんな作品の数々に。写真はほんの一部で、実際は壁一面、いや二面三面にも飾られているので圧倒される。

今朝聞いたTBSラジオ「土曜朝6時 木梨の会。」では、新たな作品の構想が浮かんだとのことで「いらないシールを送って」と番組内で呼びかけていた。確かに、シールって、シートで持っていても全部を使い切ることは少ない。最近は滅多に手紙も書かなくなってきたけれども、レターセットに入っている封緘用のシールも、たいてい何枚か残る。こうして、全国から集められたシールが、今度はどんな作品に生まれ変わるのか、想像しただけでもワクワクしてくる。

ところで、今回私が一番驚いたのが、ノリさんの色彩感覚。

こちらの富士山は1996年の作品だというから、そんな前からすでに確立されていたんだと感心してしまう。

《Mt.FUJI》

《3116》

《感謝》

とにかく、何回でも観に行きたくなる展覧会だった。

しかし、残念なことが一つ。会場内での注意喚起のアナウンスがうるさすぎた。今回は一部の作品を除いて撮影可能であったが、そのアナウンスを会場内で声高に言う必要がありますか?その上、動画撮影はしないで、フラッシュは焚かないで、作品には近づき過ぎないで、と禁止事項をズラズラと。もしそのような行為をしている人がいたら、近くに行って静かに注意すれば良いものを。美術館によっては、コロナ禍と言うこともあり、声は出さず、注意喚起の紙をスタッフが手に掲げているところもある。平日だったせいか、明らかに大人しかいない会場で、実に興ざめする対応であった。

最後に、上野に来たらお約束、みはしのあんみつ。美術館のチケット半券提示で、白玉2個のトッピングサービス。

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