Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜-モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン The Genealogy of Light : Impressionist Masterworks from The Israel Museum, Jerusalem

平日の夕方、三菱一号館美術館に行ってきました。

都内でも、お気に入りの美術館の一つであるけれども、普段はあまり訪れない曜日、時間帯なだけに、お友だち連れと思しき女子大生や制服姿の女子高生の姿に、アート好きな学生も一定数いるのだと何だか嬉しい気持ちに。

私が、自らアートを楽しむようになったのは社会人になってからだけれども、せっかくアートが集結する東京にいるのだから、今から存分に味わってほしいなあと思う。

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さて、今回の展覧会はイスラエル博物館所蔵の印象派展。イスラエルといえば、ここ最近気になっていた国。中東については全く無知ながらも、以前イスラエル通の同僚主催でイスラエルワインを何種類か飲む機会があり、ワインのイメージがなかっただけに「こんなにおいしいワインができるとは!」と興味を持ち、その後、中東のシリコンバレーと呼ばれるほどIT先進国であることを知り、そして最近ではワクチン先進国とも言われているイスラエル。完全にギャップ萌え?当然ながら、そんなイスラエルの博物館が所蔵する作品に興味津々。

そんな中、今回の一番のお目当ては、ドイツ印象派のユダヤ人画家レッサー・ユリィ。実は私も初めて聞いた名前だけれども、日本では、まだあまり知られていないながらも、開幕初日に展示作品の一つ《夜のポツダム広場》は絵葉書が売り切れたという...

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レッサー・ユリィの作品は全部で4点。確かに、この濡れたような、湿ったような、水分を多く含んでいる感じ、実際に雨が降っている作品もあるとはいえ、他では観たことがない。何というか、よくお風呂場等で中がはっきり見えないように使われるすりガラス、大げさに言えば、そのすりガラス越しに対象物を見ているような...どうしたらこんな風に描けるの?とついつい見入ってしまう。

ちなみに、初日に売り切れたという絵葉書は、この人気を受けてか数多く入荷されていたけれども、やはり実物とは色味が違う。私も、在庫があれば購入する気でいたけれども、実物を見たら買えなくなってしまった。

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レッサー・ユリィ 《風景》

その他、印象に残ったのは、風景画家のウジェーヌ・ブーダン。父親が船長だった影響で、海辺の作品を数多く残したとのこと。特に《潮、海辺の日没》が最高。水面に映えるオレンジ色が美しい。

イスラエル博物館は、約50万点の文化財を所蔵しているらしく、その規模がどれくらいのものか想像もつかないけれども、今回の展覧会で、すっかり行きたい場所リストに追加。コロナや脱炭素化で、海外旅行は気軽に行けないものになりつつあるけれども...

美術館を出たら、外はすっかりイルミネーションの時間帯に。

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