Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

『恋する惑星 4K』 重慶森林 Chungking Express

映画『ユー・ガット・メール』で、クランベリーズの『ドリームス』という曲を初めて知った。歌詞の内容はわからなったけれども、なにか素敵なことが起こりそうな予感...その後も、この曲を聴くたびに、パブロフの犬のように当時の気持ちがよみがえってくる。


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その『ドリームス』が、この映画でも使われていたとは。しかも、1994年公開の今作の方がずっと先に。

思えば、2000年前後、件の『ユー・ガット・メール』を始め、ハリウッド映画ではラブコメやオムニバス形式の恋愛ものが数多く制作されていたと記憶している。もしかしたらこの香港映画が火付け役だったのかも。

今から30年近く前の作品だというのに、不思議と色あせていない。むしろオシャレだと感じてしまう。さすがに登場人物のメイクやファッションは古く、恋人との連絡手段も、公衆電話にポケベル、そして手紙。それなのに...

連絡手段といえば、先日、突如スマートフォンの電源が入らなくなってしまった。結局そのままお陀仏になり、新しい機種が届くまでの3日間、電話でしか連絡のとれない相手には公衆電話を利用したわけだけれども、街中からすっかり消え失せたと思っていた公衆電話が、実は結構存在していたことに気がつく。人は自分の見たいものしか目に入らないとは、このことか。次回いつお世話になるかわからないけれども、こんな便利なウェブページまで発見してしまった。

publictelephone.ntt-east.co.jp

キャッシュレス推進で、ほとんど手にすることのなくなった硬貨を片手に、いつ切れるかわからないと早口で要件だけを伝える感覚。ノスタルジーに浸るのには良いかも。

最後に、邦題の『恋する惑星』というのもまた絶妙。原題(『重慶森林』)のままだと、私の場合、つい中華料理店を思い浮かべてしまう。試しにグーグル検索に「恋する」と入力してみると、それを冠した作品や商品名がずらりと。何れも映画公開時よりあとのもの。色んな所に影響を与えた作品だったようだ。

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