Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

丸紅ギャラリー開館記念展Ⅰ 日仏近代絵画の響き合い The Echoes of Modern Art between Japan and France

出社した日のお昼休みに、総合商社の丸紅を訪問。お目当ては、昨年11月にオープンしたばかりの「丸紅ギャラリー」。

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創業以来、繊維を中心に発展してきた丸紅は、きものや帯などの染織品、染織図案、和洋絵画の3本柱からなる美術品コレクションを保有。今回本社の入っている丸紅ビルの3階にギャラリーをオープンし、それらのコレクションを順次公開していくとのこと。入館料は一般(大学生以上)500円。なお、この入館料は、全額社会福祉法人丸紅基金に寄付されるらしい。何だか絵画鑑賞をした上に、良いことをしている気分になる。

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今回は、全4回にわたって開催される開館記念展の第1回目。作品数は50点ほど。お昼時間に観るにはちょうど良い。鑑賞者は、私のようにふらっと来たと思われる会社員らしき女性、旅行者らしき二人組、そして、これが他の美術館と違うところ、お客様を案内していると思しきスーツ姿の商社マン!

さて、印象に残った作品は3点。

まず、ピエール・デュモンの《ルーアン大聖堂》。ルーアン大聖堂といえば、モネの作品が有名だと思うけれども、あちらは印象派特有の淡い色合いで、大聖堂がキャンバスからはみ出さんばかりの至近距離で描かれたもの。対して、こちらは色濃く力強いタッチで、一緒に描かれているセーヌ川の水面に映った大聖堂も美しい。

次に、林武の《赤富士》。赤富士を描いたものは、過去に恐らく横浜美術館で観たであろう片岡球子の作品が印象深かったのだけれども、今回初めてそれと同等の印象をもたらす作品に出会えた。燃えるような存在感。

最後に、モイーズ・キスリングの《ミモザの花》。ミモザの花を絵画で観るのは多分初めて。黄色く丸い小花がかわいらしいミモザが、まるでそこにあるかのように浮き出て描かれており、丸紅ギャラリーが鑑賞者向けに行っている「心に響いた作品」投票でも、11月の集計で堂々の1位を獲得。

気になる方は、ぜひ実物のご鑑賞を。

ちなみに、丸紅ギャラリーから徒歩5分圏内に東京国立近代美術館があるので、時間があれば併せて鑑賞するのも良いかも。

www.marubeni.com

東京国立近代美術館の過去記事は、こちら

ikutan.hatenablog.com