Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

徳川美術館 THE TOKUGAWA ART MUSEUM

まだまだ続く、Aichi Art Report 第4弾!

第1弾から第3弾はこちら

第1弾「ヤマザキマザック美術館」

ikutan.hatenablog.com

第2弾「古川美術館・分館爲三郎記念館」

ikutan.hatenablog.com

第3弾「博物館明治村」

ikutan.hatenablog.com

最終日の朝は少しのんびりと。ホテル近くの喫茶店でモーニングを食べ(もちろん小倉トーストをチョイス)、その後、観光ルートバス「メーグル」に乗って一路「徳川美術館」へ。f:id:ikutan-croquette:20211203220108j:plain

実は、徳川美術館には以前も来たことがあるけれども、とにかくキンキラキンのイメージが。キラキラのゴールドよりも、落ち着いたプラチナ好みの私としては、今回は時間的余裕があれば行こうかな、程度に思っていた。しかし、5年にわたる保存修復を終えた「国宝 源氏物語絵巻」が全巻特別公開されていると知り、急遽行く場所リストに追加。

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入館して、まず始まったのが、第1から第5展示室まである名品コレクション。こちらに徳川のお宝が、どどどーんと。思えば、前回は長年お茶を習っている先輩に誘われて行ったので、第2、3展示室の茶室、茶道具などを中心に観ていた。今回は、そちらよりも目にとまったのが、第5展示室の婚礼調度品。とにかく豪華、かつ重そう...これを全て人間が運んだなんて...何でも現存する最大規模だとか。

さて、少し前振りが長かった気がするけれども、とうとう「国宝 源氏物語絵巻」のある展示室へ。

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源氏物語絵巻は、前回も、そして同じく絵巻を所蔵する上野毛の「五島美術館」でも観たことはあったけれども、大きな違いは修復直後であるということ。

12世紀前半の平安時代に制作された絵巻は、保存と公開の観点から昭和7年(1932年)に巻物状の巻子装(かんすそう)から額に入れて保存する額面装(がくめんそう)に改められたものの、80余年を経て弊害が生じてきたため、今回、本来の巻子装に戻したとのこと。額面装にするにあたり、また巻子装に戻すにあたり、さぞかし、専門家の間で、様々な意見が交わされたことであろう。そんなことを考えながら絵巻を眺め、また、パネル展示されていた保存修復の過程も非常に興味深く、どちらも長い時間見入ってしまった。

電子化が進む今、将来的に紙そのものが希少なものになっていくかもしれない。今回の保存修復で、絵巻が少しでも長い期間、良い状態で保存されることを願うばかり。

こちらは美術館の隣に広がる徳川園。バスの時間が迫っていたので、滞在時間5分で次の目的地へ。

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www.tokugawa-art-museum.jp