Tokyo Art Report

東京、ときどき近郊でのアート鑑賞レポート

柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年 100 Years of Mingei:The Folk Crafts Movement

仕事帰りの金曜日、東京国立近代美術館の夜間開館に行ってきました。

金、土曜日の開館時間延長は、勤め人には嬉しい。緊急事態宣言明けで再開して、なお嬉しい。さて、開催されていたのは「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」。

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「民藝(=民衆的工芸)運動の父」と呼ばれた柳宗悦。私も雑誌の特集か何かで知り、駒場にある日本民藝館を訪れたこともある。それなのに...いつも名前の読み方がわからなくなってしまう。やなぎだったか?ゆうだったか?そうえつだったか?むね...何とかだったか?正解は、やなぎむねよし。今回でようやく覚えた...と思う。

展覧会のコピーには「ローカルであり、モダンである。」とある。こちらは、会場で唯一撮影が許可されていた柳宗悦の書斎。生前だから、少なくとも60年以上前のモノ。美しい。まさにコピー通り。それにしても、こんな環境でリモートワークしたら、仕事も一気に片付きそう。

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今回、柳宗悦たちが蒐集した作品や関連資料400点超の中から、私が最も印象に残ったのは「木喰仏(もくじきぶつ)」。これは江戸時代に活躍した木食上人によって彫られた木製の仏像のこと。何とも言えない微笑みに、柳宗悦が著書『木食上人』で記している通り、私も即座に心を奪われてしまった。また、是非どこかでお会いしたい!と思わせるような微笑み。それにしても、もし柳宗悦に見出されることがなかったら、こうして後世に伝えられることもなかったのかと思うと、まだまだ眠っている民藝があるのではないかと思ってしまう。

今回は、時間帯のせいもあるのか、仕事帰りに熱心に見入っている中年世代が多かった印象。先ほどの撮影エリアでも、そんなにパシャパシャ写真を撮っているような人は見受けられず...実は、常設展を観るのも楽しみにしていたのだけれども、想定以上に展示数が多く、2時間経過で閉館時間に。常設展は、また今度。

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